■Bisporella citrina (ビョウタケ)
![]() ■ 2014年07月08日 撮影 小さいながらもキノコ探しの行く先々で私を出迎えてくれる鮮やかな黄色。 「鋲」に形状が似ているからこの名が付いた極めて小型のキノコ「鋲茸」です。 本種は若干橙色、鮮やかな黄色のものはモエギビョウタケとして別種扱いです。 地面に落ちた枯れ枝や切り株の側面など、一般的な種で見た方も多いはず。 一般的なキノコではありますが、外見的に似た種が多く、顕微鏡観察まですべきなのかも知れません。 肉眼で色が異なるモエギビョウタケくらいであれば別種だとすぐ分かりますが。 ![]() ■ 2014年07月08日 撮影 子実体は橙黄色で子嚢盤の直径は大きくても3mm程度でかなり微細です。 しかし1ヶ所に集まって生える上に生える材が暗色なので超目立ちます。 子嚢盤の下面には柄が存在しますが、長さはまちまちでほとんど無い場合もあります。 食えるようなサイズではないので問題外。見て楽しむとしましょう。 ただ生え方的に撮影も意外と難しく、構図への工夫が必要になることも。 ![]() ■ 2006年09月15日 撮影 かなり生育した個体群です。色が若干薄くなっています。特に柄。 このサイズまで成長すると確かに「鋲」に見えますね。可愛いです。 良く見ると枝の表面に根のような白色の菌糸が見えていますね・・・。 ![]() ■ 2006年10月03日 撮影 こう言うのが見たかったんですよね〜。ビョウタケの大群生。まだまだですが。 極めて小型の菌ですが、色が原色で密生する事で非常に見栄え良いです。 この個体群には老菌も含まれているようで、縁が波打つ個体も見られます。 ![]() ■ 2008年08月31日 撮影 大台ヶ原で発見しました。上にも何か別のチャワンタケ系のキノコが。 ただどうも生え方が妙なんですよね。1ヶ所からうじゃっと生えてます。 本種は朽木全体に散らばるように生えると言う印象が有るのですが・・・別種? ![]() ■ 2018年10月07日 撮影 大台ヶ原発見しました。他所でも見慣れてるので普段はスルーするトコロですが、材の隙間からチラしてるのが面白くてパシャリ。 考えてみれば大台ヶ原での再会は地味に10年振りだったんですね。 ![]() ■ 2018年11月23日 撮影 紅葉目当てで訪れた渓谷ですが、ハラタケ型はほぼ壊滅。見れるものが少なかったです。 その中で辛うじて見えたキノコの1つでしたが、個人的には嬉しかったです。 大台ヶ原では採取できませんからね。今回はしっかりと標本を採取しました。 ![]() ■ 2018年11月23日 撮影 時期的に遅すぎたかな?普段見るものよりチョイ小振りかも。 柄も短いので材にペタッと貼り付いているように見えます。 ![]() ■ 2018年11月23日 撮影 子実層面です。全然分からないので切り出してみましょう。 ![]() ■ 2018年11月23日 撮影 子嚢は140μmくらいのが多いかな?内部には8つの子嚢胞子が含まれています。 最初は一直線に並んでいますが、徐々に先端に詰まって2列になります。写真でもその過程が何となく分かりますね。 側糸は糸状で上半分には内包物が見えます。自分は観察できませんでしたが基部に隔壁があるそうです。 ![]() ■ 2018年11月23日 撮影 子嚢胞子です。もう少し拡大してみましょう。 ![]() ■ 2018年11月23日 撮影 油浸対物レンズで観察してみました。 楕円形で両端に大きな油球を1つ、周囲にもまばらに小さな湯球を内包します。 サイズは12μm前後。中央に隔壁があるハズなのですが、水封ではまず観察できませんね。 ![]() ■ 2018年11月23日 撮影 メルツァー試薬で染めると肥厚した先端部が青く染まる頂孔アミロイドであることが分かります。 また胞子が染色されたことで中央部の隔壁も見えやすくなっていますね。 ここまでの観察結果は本種の特徴と一致していますし、自信を持ってビョウタケとして良さそうです。 まぁ今回はしっかり観察しましたが、普段はパッと見で判断して良いでしょうけど。 |