★Entoloma virescens (ソライロタケ)

■ 2014年09月06日 撮影

とある公園の竹やぶに生えるとの情報自体は以前から知ってました。 毎年機会を逃し、今年ようやく最高のコンディションを見れた「空色茸」です。 写真を見れば一目瞭然、自然界には不釣り合いな空色のキノコです。 我が国でここまで明確に青いハラタケ類は本種とルリハツタケくらいかな? 非常に発生量が少なく、出会えただけでも感謝すべき珍種、嬉しかったですね。 この年は他の場所でも大規模な発生を確認。当たり年だったのかも知れません。

その自然界では稀な色合いから愛好家のみならず一般的にも注目されやすい種です。 ネット上ではニュージランドに発生する近縁な「E. hochstetteri」が本種として紹介されています。 当然ですが完全な別種ですのでご注意を。


■ 2014年09月06日 撮影

キイボカサタケなどに近縁なので、子実体の形状はほぼ同じに見えますね。 ただ傘は空色で表面には繊毛があります。拡大するとこの通りボサボサ。 このような傘の繊毛は滑らかな傘を持つ例の「イボ達」には見られない特徴です。 また子実体全体が傷付くと黄変するのも本種の特殊な性質ですね。


■ 2014年09月06日 撮影

ひだも柄も空色ですが、ひだはやや濃色に見え、柄は少し捻れるようです。 しかしまぁ何と言う不思議なキノコ・・・何故にこんな色になったんでしょ?

色んな文献を調べてみましたが、食毒不明としておいた方が良いでしょうね。 そもそも珍しいキノコなので研究が進んでいないのかも知れませんね・・・。 近縁種に毒キノコもありますし、何より珍しく、色も食欲減退なので、ね?

■ 2014年09月06日 撮影

この場所は自然公園内かつ発生量が限られるため、採取は自粛しています。 とは言えここまでの発生は見事!空色の隊列なんて贅沢、そう体験できません。 実は直後に地元で凄まじい発生地を発見し、その心配は無くなるのですが。

■ 2014年09月06日 撮影

下の傘に注目。上の傘と重なる部分が赤みがかっているのが分かりますか? 本種はこんな色ではありますがイッポンシメジ属なので胞子紋は淡紅色です。 ひだが紺色なので分かりづらいですが、実は肉色を帯びているみたいですね。

■ 2014年09月06日 撮影

発生地から結構離れた場所で発見。この場所で見たのは初めてでしたね。 今年はかなり調子が良いようで、もう少し離れた場所でもその姿を見ました。

■ 2014年09月06日 撮影

この日一番青かった子実体。本種はその黄変性から綺麗な子実体はレア。 枝にぶつかって変な傘になってますが、ほぼ変色は無く鮮やかな空色でした。 見た感じ何かにぶつからなくても傘のボサボサの先端が黄色くなるようです。

■ 2014年09月07日 撮影

自然公園で大発生を満喫、動画撮影をした翌日。近所に生えてました。 家から車で10分程度の里山の中の抜け道沿いにワラワラ出てて吹きました。 あれだけ苦労していたのに・・・灯台下暗しとはまさにこのことですねぇ。

■ 2014年09月07日 撮影

自然公園では自重しましたが、ここは一般道、引っこ抜いても問題ありません。 抜くために柄を持っただけで黄色く変色してしまいました。繊細なヤツです。 ひだは傘や柄とは異なり鮮やかな青色で凄い人工物感がありますね。

■ 2014年09月07日 撮影

何が凄いってその発生量。ご覧の通り気を抜くと踏むレベルで出ています。 今年は当たり年だったかも知れませんが、この一帯がずっとこんな感じです。

■ 2014年09月07日 撮影

やはり幼菌は変色が少なくて美しいですね。やっぱ竹林が好きなのかな?

■ 2014年09月07日 撮影

美しいキノコなのですが、大抵の子実体はこのようなくすんだ色合いです。 変色性によるものもありますが、純粋に色素があまり安定しないようです。 古いヤツは淡い黄緑色みたいになっていて何とも魅力が無い姿になってます。

■ 2014年09月07日 撮影

車の中からでも余裕で分かった自然界にはまず無いであろう色合い。

■ 2014年09月07日 撮影

イボカサの仲間らしく傘の頂部に乳頭状の突起が有る子実体を発見しました。 本種はイボカサに近いとは言え奴らのような顕著な突起はあまり出来ません。 なのでこのような形状まで似た姿はレアですね。まぁ言うほど出てませんが。


■ 2014年09月07日 撮影

手に乗せてみました。肌の色と比べるとホント青いってのが良く分かりますね。 自然界には鮮やかな青色と言うのは中々存在しないのでインパクト抜群です。

■ 2014年09月07日 撮影

珍しく株立ちしていました。単生が普通の種なのでちょっと意外な感じ。 でも考えてみれば「イッポンシメジ」属なんだから当然っちゃ当然ですね。

■ 2015年09月13日 撮影

昨年は掃いて捨てるほど生えていたソライロですが、今年はからっきし・・・。 時期を逃したとも思えず、周期的発生をしている説を推したくなります。 この日見れた撮影に耐えうる被写体はこれだけ。これから出れば良いですが。

■ 2016年09月17日 撮影

今年も出ないのかなと心配していたら出るわ出るわ。今年は大当たりですね。 研究会の方も足を運んだのですが、その時も見事な群生が見れたそうです。 こうして見ると基部の菌糸も青色なんですね。何度見ても珍妙な・・・。

■ 2016年09月17日 撮影

何気無しに撮った一枚なのですが、帰宅後に確認して気に入っちゃいました。 落ちたタケの皮に包まれるようにして出ていた一本ですが、背景が良いですね。 やはりキノコを撮影する際は背景も大事なんだなと実感させてくれました。

■ 2016年09月22日 撮影

今年はソライロタケの大当たり年!もうこのフィールドは空色の天国ですよ! 林道を少し歩くだけで横の斜面に有るわ有るわ不自然なライトブルーの傘。 ちなみに中央に重複寄生を受けたコツブユラギハリタケが居たりして・・・。

■ 2016年10月02日 撮影

10月だと言うのに出てました。意外と発生期間が長い種なんでしょうかね? そう言えば去年も時期外れに出てくれたお陰でオフ大成功となりましたし。

■ 2017年08月20日 撮影

昨年は当たり年だったソライロですが、今年はかなり発生数が少なかったです。 雨が少なかったと言うのが一番の理由でしょうが、それでもちょっと寂しいです。 辛うじて見付かった撮影に耐える子実体も色が淡く、全体にヒョロヒョロでした。

■ 2017年10月01日 撮影

何とかしっかりした子実体を見れました。この後晴れ続きでダメでしたけど。

■ 2020年09月13日 撮影

gajin氏とすず姉氏の3人で訪れたいつものフィールド。 イグチ類が大爆破でメインは完全にソッチでしたが、しっかり発生していたソライロさん。 この場所で見るのは初めてですが、自分が知るフィールドとは環境が全然違う広葉樹林でした。

■ 2021年10月03日 撮影

傘がボロボロであまり載せる気は無かったんですが、基部が面白かったのでご紹介。 本種は柄の基部に綿毛状菌糸を蓄えているのですが、その菌糸が空色なんですよね。 今までも何回か見ていますが、今回が一番その様子が分かりやすかったかな?
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