■Laetiporus versisporus (アイカワタケ)
■ 2023年07月15日 撮影 初発見は2007年。その後良い写真が撮れずに16年も経っちゃいました。 奇しくも撮影場所は初発見と同じ街中の公園でしたね。 立ち枯れた広葉樹の立ち枯れに発生する独特な外見の「間皮茸」です。 属名を見ても分かるようにマスタケに近縁なキノコなのですが、 本種はほとんどの場合アナモルフを形成し、この状態はヒラフスベ型と呼ばれます。 以前はあまりにも外見が異なるためアイカワタケとヒラフスベで別種とされていましたが、 実際には同種のテレオモルフとアナモルフだったと言うオチです。 アイカワタケ型は傘と管孔があるマスタケに似た子実体を形成しますが、 ぶっちゃけ見付かるのはほとんどがヒラフスベ型です。 もう面倒臭いのでヒラフスベ型は今まで通りヒラフスベと呼びたいと思います。 ■ 2023年07月15日 撮影 ヒラフスベは漢字で「平瘤」と書き、これはオニフスベと由来は同じで「瘤」の意味ですね。 子実体はまんじゅう形と表現されるモコモコした見た目で、 本来の子実体の形状とは異なる異形体と呼ばれるものです。 ■ 2023年07月15日 撮影 ヒラフスベ型の異形体は幼菌時鮮やかな黄色ですが成熟すると白っぽくなり、 最終的には褐色になると同時に子実体全体が急激に脆くなります。 実はこのヒラフスベ型は無性世代(アナモルフ)であり、 内部は厚膜胞子(分生子)で満たされています。 そして脆くなった子実体は厚膜胞子ごと崩壊し、これにより胞子を拡散します。 通常の傘タイプはマスタケ同様に若い内は可食ですが、 こちらもマスタケ同様に生食は毒だそうです。 食用価値はぶっちゃけかなり低いですし、そもそもヒラフスベ型は食えるかどうかも怪しいですから、 無理して食べるべきではないでしょうね。 ■ 2007年08月26日 撮影 初発見の子実体は2023年と同じ公園でした。初見時は何じゃコリャ状態でしたね。 白っぽいのは子実体の崩壊が始まっているからのようです。 長らくTOP写真を務めていただきましたが、ついに差し替えですね。 ■ 2007年08月26日 撮影 何て言うか、モコモコしていて実際少し弾力があります。 サルノコシカケ系のキノコなのですが、アナモルフなので管孔が見当たらない不思議。 ■ 2007年09月01日 撮影 一週間後・・・ここまでボロボロになっているとは正直驚きでした。 熟すと形を保っていた菌糸が崩壊して厚膜胞子を撒き散らします。 少しは通常の管孔も形成するようですが、すぐに厚膜胞子になって崩れてしまう模様。 綺麗な状態で見れる期間が短いのでギリギリでしたね。 ■ 2008年07月12日 撮影 何でローアングルで撮った方が良い構図になるんだろう?空が入るからかな? 本種は個体全体が厚膜胞子化するため、胞子を形成する「管孔部」が必要ありません。 ただ稀に浅い管孔を形勢するようで、細かな穴が開いているように見えます。 ■ 2008年07月19日 撮影 上の写真の切り株の上にチラッと見えている子実体の5日後の様子です。 たった5日で随分と雰囲気が変わりましたね・・・。 弾力があったボディも柔軟性を失い、茶色の粉の塊になっていました。 ちなみに撮影しようとしたら、ひび割れた隙間にキノコムシの仲間が入り込んで行きました。 食べさせることで胞子拡散の手伝いをさせているのかも知れませんね。 ■ 2008年07月20日 撮影 遭難レベルの深い山にて撮影。今までは低地ばかりでしたからねぇ。 1500m級の峠を越えたんですが、収穫はあまりありませんでした。 しかも道を間違えちゃって、結局目的に到達できなかったという骨折り損。 このモコモコした姿が一番の清涼剤でしたー。またチャレンジしないといけませんね。 ■ 2009年07月11日 撮影 な〜んかまた見覚えのあるような切り株ですねぇ・・・どうも居付いてるみたいです。 でも今回のヒラは一味違う!なんとちゃんと傘になっているではありませんか! ・・・まぁこれ実は凄い地際で、地面に這うように成長しただけなんですけどね。 ちゃんとした傘を形成するアイカワタケに出会えるのはいつになるやら。 ■ 2013年06月15日 撮影 久し振りに見た気がします。道路すぐ脇に生えてたので発見は楽でしたね。 なぜか今回も赤と黒の模様のキノコムシが何匹か潜んでいました。 色と模様からタイショウオオキノコだと思われます。 古くなったキノコを主食とする森の掃除屋さんですね。 |