Coquimbite/コキンボ石
Fe3+2(SO4)3・9H2O


20100212 Dexter No.7 Mine, Calf Mesa, San Rafael District, Emery Co., Utah, U.S.A.

発音が不思議な響きですね。産出が極めて少ない鉱物、「コキンボ石」です。
とても美しい薄紫色の鉱物ですが、実は我が国日本でも採れる鉱物です。
母岩の白色部分は鉄明礬。この産地特有の産出形態として知られます。
本来は透明感の有る結晶を作りますが、とある理由で美しい結晶は稀。


20100212 Dexter No.7 Mine, Calf Mesa, San Rafael District, Emery Co., Utah, U.S.A.

母岩表面に淡い紫色の六角柱状結晶が無数に見られます。
ダメージの少ない結晶面が確認できる良質な標本ですね。
ですが市販の本鉱を見ると、その多くが白く曇っています。
これは本鉱には吸湿性が有り、多湿環境で劣化するためです。
母岩を持つと確かに少し湿っているような印象を受けます。
保管の際はシリカゲル等の乾燥剤を使用する必要が有ります。
この美しさを保つためには一手間必要。それもまた良しです。


20100212 Dexter No.7 Mine, Calf Mesa, San Rafael District, Emery Co., Utah, U.S.A.

結晶自体はやや劣化気味ですが、構造が見やすいので撮影しました。
左上の結晶のように、本鉱の結晶は先端が平面の六角柱状になります。
良く見ると完全に劣化し切ったような結晶が母岩の一面に見られます。

また右上に褐色の結晶が見られますが、これはレーメル石のようです。
この鉱物も産出が稀。意外な所におまけが付いていたようですね。