■specimen_No.001_M Diamantina, Minas Gerais, Brazil
■ Diamond / 金剛石・ダイヤモンド
□ C
石好きでなくとも知らない人は居ないでしょう。自然界で最も硬いモース硬度10の宝石。そして4月の誕生石です。
本鉱物は元素鉱物なので化学式は黒鉛と同じ「C」です。ただし結晶構造は全く異なります。
層状で剥がれやすい黒鉛とは異なり、ダイヤモンドは炭素原子が立体的な共有結合を作るため、あの硬さが生まれます。
本鉱物のこの優れた硬さは宝石としての価値を高めているだけではなく、産業的にも様々な用途があります。
本鉱物が誇るモース硬度10はコランダムの9と数字的には1しか違いませんが、9は8の2倍、10は9の4倍の硬度があります。
そんな最硬のダイヤモンドですが、あくまでもモース硬度は「ひっかき」に対する硬さです。
ダイヤモンドには劈開と呼ばれる割れやすい方向が4方向(完全)に存在するため、実は小さなハンマーで劈開の方向に軽く叩くだけで簡単に割ることができます。
逆にこの劈開性があるからこそカッティングを行うことができるのです。
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■specimen_No.001_M Diamantina, Minas Gerais, Brazil
本鉱物はマントルを起源とする火成岩の一種であるキンバーライト中に産します。
そのため良質な結晶の産地は地球上でも安定陸塊のある地域、例を挙げるとロシアやボツワナ、コンゴなどに限定されます。
しかし近年になって産出しないとされてきた日本でも微細な結晶は発見されています。
キンバーライトを母岩とする原石標本が市場に出ることは極めて稀で、仮に出ても現実的な値段ではありません。
これは採掘時に母岩から脱落しやすいこと、そして何よりも原石のままより加工したほうが儲かると言うのが理由です。
この標本No.001のようなブラジル産の礫岩を母岩とする標本は流された結晶が礫として取り込まれたものです。
よってこの中でダイヤモンドが作られたわけではありません。
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■specimen_No.001_M Diamantina, Minas Gerais, Brazil
あまり知られていませんがダイヤモンドには長波紫外線で蛍光すると言う性質があります。
緑色や黄色、オレンジ色など様々ですが、典型的なものでは青色に蛍光し、この性質は鑑定にも用いられます。
蛍光時の色が記載されている鑑定書もあるんですよ。
ちなみに短波紫外線でも一応蛍光はしますが長波と比べると弱いです。
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■specimen_No.001_M Diamantina, Minas Gerais, Brazil
ダイヤモンドは屈折率が2.42と他の鉱物に比べて高いのが特徴です。
結晶に侵入した光は簡単には外に出て行けず、内部で全反射を繰り返して虹色の光になります(ディスパーション)。
これに表面反射(シンチレーション)、内部での反射回数の少ない強い光(ブリリアンシー)が合わさることで強い輝きを作り出します。
拡大してみるとカッティング時には及ばないものの、その片鱗を垣間見ることができます。
母岩付き標本はマニアに人気があるため、結晶を母岩に接着した悪質な標本なども出回るので注意が必要です。
ディアマンティナ産の結晶は小型で透明度の低いものが多く、このような透明度の高い標本は貴重だと思われます。
自然のままの状態でもこれほどの輝きを見せるのは流石と言うべきでしょうか。
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