今回から記事の雰囲気が違うと思います。
今回から読みづらいと言う事で改行を無くしました。
実は今まで読みやすさを考えて同じくらいの長さで文章を切っていたんですよね。
ただこれだと書きたい文章が書けないので、今回からこんな感じにしたいと思っています。
では本題。
ガガンボさんのブロマガで記事がスタートしたのでコチラも追いかけますよー。
実は6月中にコッソリと大規模なキノコ遠征を遂行してきたんですよね。
それは・・・。
八丈島菌類遠征!!!
上の太字を見て「八丈島なら昨年行ったじゃん」とお思いの方も居られるでしょうね。
ええ、確かに行きました。でも色々とやり残した事が多かったんですよ。
と言う事で今年も再度お邪魔する運びとなった次第です。参加メンバーは敬称略で・・・。
・oso (2回目)
・ガガンボ (2回目)
・木下 (初)
・アメジストの詐欺師 (初)
何か選挙結果みたいですが、人数は昨年と同じで半分入れ替えのこの4人。
特にアメジストの詐欺師(以下アメさん)は今回が初キノコオフで全員初対面です。
昨年行きたいとtwitterで仰っていたのでとっ捕まえてきました方ですので。
動画投稿はしていますが、サイトが初見の方は先に記事をお読み下さい。
0日目。
全便欠航決定。
絶望的なアナウンスを羽田行きの電車の中でガガンボさんから受け取りました。
確かに天気予報にその前兆は有ったんですが、まさかマジで飛行機飛ばないとは思いませんでした。
現地羽田にはすでにガガさんとアメさんが到着していました。
これはもう遠征断念か・・・?いや、そんなワケには行きません。
この日のためにどれだけ計画を練ったことか!
現地のガガさんと連絡を取り合い、何とか振り替えできないか模索します。
そして運良く翌日昼の便への変更ができました!
もちろん明日飛ぶ保証も無いワケですが、天気予報的には明日なら行けそうです。
その後の流れで現地のお二人は国立科学博物館へ見学に行くとのこと。
私も地元でブラブラしていてもしかたがないので、現地のお二人と合流することにしました。
木下さんからは「比較的近いので一旦家に戻り、翌日出直す」との連絡が。
では私はガガさんアメさんと共に東京観光でもしますかね♪
新幹線止まった。
言い忘れていましたが自分、MUGENオフでもその持って産まれた雨男の才能を遺憾なく発揮しました。
まさかここまで自分の異能が優れたものだとは思っていませんでしたよ。
結局東京に着いた頃には少し早いとは言え夕飯時。
さっさと休みたい私は合流したお二人に無理を言って早めの夕飯を食べます。
その後ネカフェ泊のお二人と別れ、ゆっくり休むためにビジネスホテルの空きを探します。
へぇ。
本、ホントに有るんだ・・・。
ホテルは快適でした。この手のホテルは何度か泊まっていますが、寝心地はかなり良かったです。
これは今後どうしても泊まらねばならない事態になった時の候補に入れておこう。
オヤスミナサイ。
1日目。
駅にてガガさんアメさんと合流。ガガさんは漫画にハマってしまってあまり寝てないようです。
寝ることには自信が有るアメさんは特に問題ないみたいです。
木下さんとは空港で合流することになったので、3人で先に羽田空港に向かう事にしました。

やって来ました一年振りの羽田空港!本当は前日に来ていたはずだって悲しい過去は忘れました。
荷物を預けて待っていると木下さん無事合流。結構ギリギリだったみたいです。
木下さんも荷物を預けてここで昼食。昨年はマ●ドナルドのハンバーガーでしたっけね。
ガガさんはその時の悲しい記憶が蘇ったのか「ハンバーガーが食いたい」と大騒ぎ。
じゃあそうしようと4人で店に向かいますが、着いてみると大混雑。
時間を見ると地味に余裕が無いので、諦めて丼の店にしました。大当たりでしたけど。

天気は無事味方をしてくれたようです。
やって来ました八丈島!空港に着くと見覚えの有る方が・・・。
そう、昨年も島を案内して下さった大場3号さんとしょうどんさん!お久し振りです!
厚かましくも今回もお世話になります。
挨拶を済ませてから宿泊施設にて待ち合わせの約束をし、まずレンタカー屋さんに連絡します。
空港まで迎えに来て頂き、今回の旅で行動を共にするレンタカーとご対面です。
昨年乗った赤い軽自動車がすぐ隣に居ました。
坂も登らず、冷房も効かず、カーナビは勝手に頭を垂れてくると言う凄い車でした。
「故に侘助」とか冗談言ってましたが、今回は別の車になりました。
その車、数日前までとある自然屋さんが乗っていたのはtwitterで知っていました。世間狭いなぁ。
まぁ今回の車もカーナビに関しては中々のモノをお持ちだったんですけどね。
車に荷物を載せて今回の宿泊地「ロッジオーシャン」へと向かいます。

宿は凄く良かったです。メッチャ綺麗です。昨年は・・・まぁ多くは語るまい。
強いて言うなら室内にヤモリが毎晩現れるお部屋でした。
あまりの部屋の綺麗さに、私とガガさんは感動でうち震えましたね。
荷物を置いた後、大場さんしょうどんさんと宿の前で合流し、まず最初のポイントへ向かいます。
一年経っても覚えているモノで、見覚えの有る場所に到着しました。そこには・・・。

居ました!私のある意味一番の目標だったヤブニッケイもち病菌さんです!
今年に入って小笠原諸島母島でも発見されましたが、今まで八丈島固有種だった植物寄生菌類です。
見ようと思ったら梅雨のこの時期に八丈島か小笠原諸島を訪れるしか有りません。
実は昨年9月に訪れた際も見てはいるのですが、その時はもはや残骸と化していました。
植物寄生菌類の旬は基本的に梅雨。流石に9月は時期外れも良いトコだったのです。
しかし・・・白い。聞けば八丈島ですらしばらく雨が降っていなかったとのこと。
そのため発生を焦ったのか今年は老成が早まってしまっていたようです。
周囲を探すもちょうど良い感じの菌えいが見当たりません。
諦めかけていたその時、ガガさんがファインプレーを見せます。

これは綺麗!素晴らしい状態です。コレ!これを見たかったのです!
夢中でシャッターを切ります。あぁ〜萌える〜♪記録用に実況動画の撮影も同時に行いました。
と、ここで断面を撮影していたガガさんが妙なことを言い出しました。
「これ・・・食えるのかな・・・?」
これ別に狂気ではありません。フォローしておきますが理由が有ります。
今は別属になっていますが「もち病菌」と呼ばれる物は複数あります。
代表的なのはサツキもち病菌とサザンカもち病菌です。
前者は梅雨時に街路樹や庭木で植わっているサツキの葉がプクッと膨らんでいるもの。
後者や前者よりややレアですが、ツバキの葉が肥大したものなどは可食との話も。
それを知っているだけに好奇心が抑えられなかったのでしょう。
その場に居た4人も決心して内部を口に入れて噛み潰してみました。

「 渋 っ !!! 」
本来ヤブニッケイはニッケイ(シナモン)の名を持つだけ有って枝葉に芳香が有ります。
実際に後で新芽を噛んでみましたが、口直しと言って良いレベルの風味でした。
ですがヤブニッケイもち病菌の菌えいの渋さは想像を絶するモノでした。
まだコレならニガクリタケの方が口に含んでいられるでしょうね。
ただしばらくするとごくわずかに良い風味がする気がしました。気のせいかもですけど。
ちなみに大場さんしょうどんさんも試食。悶ておられました。
でも考えてみればヤブニッケイもち病菌の「味」を知っているのって世界中でウチらくらいのものじゃないでしょうか?
もしかすると凄く貴重な経験をしたのかも知れません。価値が有るかは別として。
とここで時計を見ると15:30。結構良い時間です。もうあまり本格的な探索はできません。
そこで現地のお二人に短時間で回れるフィールドをお聞きすると、一つ思い当たる場所が有るとのこと。
もうそこしか無い!と言うことで入り口まで案内して頂き、一旦お別れとなりました。
着いた場所は沢筋の遊歩道。良い感じに湿り気が有り、冬虫夏草的にはかなり良さそうな場所です。
天気も下り坂なので一刻も早く探さねば・・・!そう思い歩きはじめて数分の出来事。

・・・ん?
黄色いキノコ。最初はナギナタタケ系かと思いました。
しかし違和感をおぼえてルーペで見てみると、表面には子嚢殻がビッシリ。冬虫夏草だ!
追いかけてきたガガさんもすぐ近くで別の個体を発見。二人で手分けして掘ることにしました。
木下さんとアメさんは近くに同じ冬虫夏草が居ないかを引き続き捜索することに。
しかし掘る準備をしながら私とガガさんは同種の嫌な予感を抱いていました。
「これ・・・マヤサンエツキムシタケじゃね?」

それを聞いたガガさんの「分かってても言わないでよ」的なリアクションが忘れられません。
と言うのもこのマヤサンエツキムシタケ、地上生冬虫夏草の中でも掘り取り難易度最高クラスなんです。
本種に比べればツブノセミタケの深さ20cmなど東方で言うトコロのEasyモードでしょう。
何がヤバイって地下部がカビみたいな菌糸であり、ギロチンの温床なのです。
ある程度経験の有る虫草屋ですら、掘れるかどうかは「運」と言っちゃうレベル。
特に初見の私と違いガガさんは有り得ないようなギロチンのトラウマが有ります。
その後お二人の追加捜索でも発見はできず、見付かったのはこの2つのみ。
日没まで残された時間はあとわずか。何で冬虫夏草にこんなに追い込まれてるのウチら。
結果は・・・。
ガガさんはギロチンしてしまいましたが、私は何とか掘れました。一部切れましたが。
しかし私の場合は周囲を太い切断不可能な根に囲まれていたため諦めて一気に掘ったのが運良く成功しただけ。
とてもではありませんが断面作成などやる余裕が有りませんでした。
それもガガさんもキッチリ宿主は掘り当てていました。これは・・・キツい・・・。
ちなみにマジでイッパイイッパイだったので実況動画録り忘れてますからね。
雨。
大雨です。この中での探索はかなりキツい。マヤサンのポイントを後にして奥に進みます。
しかし薄暗い森の中で濡れた地面はキノコ探しには不向きな環境です。しばらくは何も見付かりません。
ですが尾根筋に出た頃に足元の遊歩道上に見慣れた姿を発見。ツブノセミタケだ!
しかもかなりの発生量。「ツブセミロード」と呼ぶに相応しい発生量です。
冬虫夏草に見慣れた4人でもこれだけ出ていると流石にテンション上がってきた!
丁寧に探して行くとヤクシマセミタケの幼菌もポツポツ出ているようです。
この場所、セミ生冬虫夏草的にはかなり優秀な場所みたいですね。
私とガガさんは木下さんとアメさんにツブセミを掘るように提案。悪魔である。
そんなことをしながら観察していると、ツブセミに混じって何か雰囲気が違うヤツが居る事に気付きました。

これは・・・ヤクシマセミタケじゃない・・・エニワセミタケだ!
昨年はヤクシマの奇形と見間違いましたが、今回はこの色を見て確信。
そして掘ってみるとやや菌糸に覆われた宿主。全く菌糸に覆われないヤクシマとはやはり違います。
断面作成を行いましたが残念ながら大雨と暗さで綺麗に仕上げられませんでした。
とここで時間切れ。当然ながらツブノセミタケを掘る時間は有りませんでした。
急ぎ記録用に実況を撮影し、帰路につきます。服は雨と汗でぐっしょりなので当然着替えました。
部屋に濡れた服を干して夕食のお店へと向かいます。そう、あの場所です。

と言う事で地元のお二人よりもひと足早く居酒屋「通(みち)」さんへお邪魔しました。
降り止まぬ雨の中である程度注文しつつお二人を待ちます。
その後しばらくして大場さんとしょうどんさんも無事合流し、まったりした時間を過ごしました。
お酒の飲める木下さんは無理やり飲まされたり、アメさんが明日葉ジュースにハマったり。
ガガさん凄まじい量のかきあげを食べたり、私は大場さんに書籍へのサインを依頼されたり。
話し上手のしょうどんさんのどこまで信じて良いか分からない話を聞いたり。
店の看板猫(?)に冷めた目で見られながら八丈島1日目の夜は更けてゆきましたとさ・・・。

超楽しかったです。
ところで、しょうどんさんのお話はどこまでが事実だったのでしょうか・・・。
2日目。
おはようございます。八丈島遠征、2日目に突入しました。
今日が実質本番です。1日遅れたので終日探索できるのは今日だけですからね。
早朝から起き出し、まずは食堂で朝ごはん。これを食べられるのは本当にありがたいですね。
昨年はスーパーが開くのを待って惣菜パン食べてましたが。手作り感有る朝食はやはり良いものです。
食事を済ませたら早々に支度をしてフィールドへと向かいます。
今回は昨年の遠征で訪れたとある場所を記憶を頼りに探します。
今回のカーナビは頭を垂れるどころか根本から外れて落下するので違う意味で気を遣いますね。
幸いにも記憶ってのは中々優秀で、見覚えの有る斜面に到着しました。
ここは昨年Hibagonさんがとある冬虫夏草を発見した場所です。
昨年は9月だったので流石にまだ無いか、とあまり期待せずに地面を眺めていると・・・。

ヤクシマセミタケ居るし!しかも未熟とは言え結実部の形成が始まっています。
9月が最盛期のハズで、以前の調査月表でも6月はまだギリギリ発生時期ではなかったような。
何にせよ美しい子実体が見れたのは幸運でした。幼菌も近くに居ましたからね。
とここでガガさんが意外なモノを発見。

あれ?何でオマエここに居るの?京都など関西で良く見られるヒメクチキタンポタケです。
居るとは聞いていましたが、まさか見付かるとは。しかも細い落枝から発生しています。
自分も以前京都のフィールドで見たっきりだったのでこれは羨ましい発見です。
その後木下さんもアメさんもヤクシマセミタケを次々と発見!
昨年は気付きませんでしたが、今回の探索でかなり広い範囲に発生していることが分かりました。
お二人は初見と言うことで断面作成と掘り取りにチャレンジ!
その間、私とガガさんは周囲を探索することにしました。
とここで湿った斜面を眺めていると妙な白い菌糸を発見。
何気なしに掘り起こしてみると、そこには驚くべき光景が広がっていました。

シ、シロタマゴクチキムシタケ!!!
実は本種、昨年の八丈島冬虫夏草遠征の優先項目でした。まさか見付かるとは!
本種は何とヤスデ類の卵塊を宿主とする、宿主が成虫でも幼虫でも地下生菌でもないと言う冬虫夏草の異端児。
朽ち木やガクアジサイの幹から出ると聞いていましたが、見付かったのは普通の土の斜面でした。
しかし時期が早かったのか子実体の形成は始まっておらず、子嚢殻は観察できませんでした。
さらに貴重な発見は続く。
ガガンボさんが「クワガタ!」と声を発します。
見に行ってみると向こうからアメさんが満面の笑みで走ってきました。
聞けば彼、仲間に虫屋さんが居り、色々と情報を得て染まってしまっているとの事。
珍しい虫も飼育しているらしいですからね。で、そんなアメさんが興奮するのには理由が有るんです。

何と今回見付かったこのクワガタ、何と八丈島固有種のハチジョウノコギリクワガタだったんです。
ほとんど飛ばず、何食ってるかも分からないのでトラップが意味を成しません。
しかも夜行性と言うワリに昼間も普通に行動し、出会えるかどうかは運次第と言う困り者。
ひょっとするとここまで見付けたどのキノコよりも珍しいんじゃないかってレベル。
皆は大喜びでしたが、ガガさんはこの運をキノコに使いたかったようで、やや不満気味でしたね。

コチラはクワガタのすぐ近くに生えていたシマササバラン。
ユウコクランの伊豆諸島型変種で、緑の花弁が混じるのが特徴なんだそうです。

実況で木下さんが掘っていたヤクシマセミタケです。
無事全員がヤクシマセミタケの掘り取りに成功したので、ここで午前の部は終了。
実況動画前半もここまでになっています。ここからお昼ごはんを食べて午後の部となります。
ちなみにお昼は車の近くでパンやおにぎりをムシャりました。一仕事した後だと美味しさ倍増。
ではどろんこさんに頼まれていたとある冬虫夏草を探すとしますかね!
後編に続く・・・。
追記。

去り際に地上生のヒメクチキタンポタケ見付けました。一瞬エニワだと思いました。
紛らわしい形してるのは勘弁してももらえないですかね・・・?
て事で絵も有るよ!
115人目のキノコ擬人化娘は久々の植物寄生菌類!
「Laurobasidium hachijoense (ヤブニッケイもち病菌)」擬人化の「餅藪 肉桂」嬢です。
本菌を見た暁には絶対に擬人化して掲載しようと決めていた娘です。やっとご紹介できました。
皮膚に角状の突起ができる特異体質の持ち主。外見に八丈島らしさを取り入れたかったので黄八丈をダイレクトマーケティング!
ナシ赤星病菌と同じく植物寄生菌類らしいねちっこい雰囲気も持っています。
体質や性格は実際にこの身で経験した八丈島での思い出を盛り込んでみました。
宜しくお願い致します!
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>窶敖焦スティ
文字化けかな?とりあえずありがとうございます!
>ヤブニッケイと仲良しのあの娘…に一票♪ (イグチーK さま)
これは問題にすらなっていませんでしたね・・・ヤブニッケイもち病菌です。
昨年見てはいたのですが、あれを見ただけでは擬人化できませんでした。
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