申し訳ありません。一月経って発見者が若干うろ覚えです。間違えていましたらご指摘をお願いします。
ことの発端は少し前に記事にした忘年会でのどろんこさんからの伝言。
どろんこさんの冬虫夏草の師匠にあたるK.Y.氏から「地下生菌観察会をするけど来ますか?」とのことでした。
残念ながらどろんこさんは遠方かつ忙しいため参加できず。ガガンボさんも年末は用事が有るため参加できず。
私とアメジストの詐欺師さんは都合が合ったためお邪魔させて頂くこととなりました。
メンバーは地下生菌研究会のメンバーのK.Y.氏とそら氏、そして同じく会員で今回のフィールドを案内して下さるO前氏の5名。
・・・のハズでした。
なんと直前になってD先生より「たまたま近くに来ているから行く!」との連絡が入ったのです。
多分ある程度キノコ界隈のことをご存じの方にはイニシャルにした意味が無いであろう著名なガチ研究者さんです。き、緊張が・・・。
12月30日、9:00。
大晦日前日。世間は正月の準備に慌ただしい朝に異常な重装備で道を歩く私。明らかにおかしい。
約束の集合場所に到着するとすでに全員着いておられました。6人で輪になって代わる代わるご挨拶。アメさんとは最近会ってますね。
K.Y.氏とは昨年の長野での冬虫夏草観察会でもお世話になっております。あの時も本当に素晴らしい観察会でした。
今回は私とアメさん以外は全員が地下生菌研究会会員と言う錚々たる顔ぶれのハイレベル観察会の開始です。
このフィールドはカシの割合が高く、場所によってはほぼカシのみと言う高密度地域。
このような環境は地下生菌にはもってこいであり、実際に11月頃の旬に訪れるとかなりの種類数が出るそうです。
12月はやや遅めではありますが、地下生菌は寒さに強いのでまだまだ大丈夫とのこと。
実際にそれをすぐに実感することとなります。
まず最初はカシ林の斜面をササッと捜索。しかし何も出ません。
もったいぶらずに本命へ行こう!とのことでO前氏の案内で氏がご神木と呼んでいる立派なカシの場所へ向かいます。
なんでもこの樹下には沢山の地下生菌が出るとのこと。期待が高まります。

ご神木は凄かった。ここから一気にキノコラッシュが始まります。
まず見付かったのはホシミノタマタケ属の一種。後の胞子観察の結果「Octaviania nonae」だと判断しました。
直径1cm程度の小さい球体で、触れた部分が少し黒変するのが特徴です。
本種とその近縁種には命名に関する面白いエピソードが有るので、キノコ写真図鑑をチェック!

こちらはすぐ近くから出たヒステランギウム属の一種。これは種小名までは分からず。
断面はシラタマタケなんかを彷彿とさせますが、地上生キノコに近縁な種は存在しません。
遠い親戚としてヒメツチグリ目が存在するくらいだそうです。
とここで私が落ち葉を掻き分けた先に居たアメさんが大発見!

ずっと見てみたかった憧れの地下生菌!ガウチエリア属の一種です!まさか出るとは!
これ異様な外見ですが何とホウキタケ属に近縁な種なんです。
幼菌時は外皮が有り普通に地下生菌って感じですが、成熟するとホウキタケを丸めたような外見になります。
O前氏もここで見るのは初めてだと大興奮!
しかしまだまだ続きます。

次に出たのはロスビーベラ属の一種、これは「Rossbeevera paracyanea」と同定されました。
2016年に記載されたばかりのヤマイグチに近縁な地下生菌。強烈な青変性が特徴です。
アオゾメクロツブタケに近縁な種ですね。
途中、肉食動物の糞と思しきものを多数発見。D先生が糞に出る菌類が出ていないかを確かめていました。
かなり珍しい菌類が出ることも有るそうです。

「地面が青い!」
そら氏の声にこどものように駆け寄る他のメンバー。童心忘れるべからず。
見ると確かに青い!そして恐るべきはすぐに属名が出てくるメンバーのレベルの高さでしょう。アマチュアは置いてけぼりですわ。メッチャ楽しいですけど。
ビスソコルチシウム属の一種です。ちょっと強引ですが色による消去法で「Byssocorticium efibulatum」と仮同定して掲載しました。
コウヤクタケ系のキノコではありますが何と菌根菌なんです。この色、大好きです。
この他ではオリーブサラタケや小型の盤菌が幾つか見付かりました。
ここで午前の部終了。探索装備をしまって2ヶ所目へ向かいます。途中現在の分類の最前線のお話などを皆さんから聞かせて頂きました。
このような話は知っている方にお会いしないと聞けない貴重な情報。観察会やオフ会の大きな楽しみの一つでしょう。
目的地付近で腰を下ろして昼食。過去の離島遠征のエピソードなどで花が咲きました。
さてここまで便乗でしか見付けられていない私は汚名返上名誉挽回を狙います。
すぐにツチダンゴを発見しました。この辺からちょっとずつコツが分かってきました。
今まで地表の落葉をどけるだけでしたが、ほんの少し掘った場所に居ることが多いんですね。
それを意識し始めたら見つけられるようになってきたかも。

そら氏発見のウスベニタマタケ。やっぱり可愛いですね。
地元でも見ていましたが、この子実体は明らかに大型で色も鮮やかです。

O前氏はツヅレシロツチダンゴ近縁種を発見。胞子が藍色のタイプのツチダンゴです。
本家ツヅレシロツチダンゴとは異なり本種は周囲の菌糸に黄色が混じることと、胞子の大きさが異なります。
そして本種はとある菌生冬虫夏草の宿主としても有名。と言うことは・・・。

すぐ近くで見付かりましたサキブトタマヤドリタケ!まだ幼菌ですがちゃんと結実部も出来はじめています。
何と言っても本種の発見者は観察している私の横で掘り取りを行っているK.Y.氏って言う凄さ、ね。
柄が短いので掘り取りも簡単で、追培養も簡単なのだそうです。
春頃に成熟すると言うことなので、また春にも行きたいなって話をしていました。

ここでアメさんがツチダンゴ眼を発揮。アミメツチダンゴをバンバン見付けます。
「アミメのアメジスト」と呼びたくなるラッシュ。
切断したこの子実体は刃を入れたとたんに全員が「うわっ」と言うくらいの強烈な臭気を放っていました。
本種はリスなどの小動物に齧らせて胞子を飛散すると言う説が有るようです。このニオイ平気なんですかね?
2ヶ所目はここで終了。あとは山を下りながら怪しい場所を確認することに。
ここで残念ながらD先生は予定が有るため先にお帰りになることに。
正直研究者さんと言うことで最初かなりビビっておりましたが、本当に気さくで菌類への愛がダダ漏れている方でした。
好きなものを好きで居続けている、そんな感じがしました。本当にありがとうございました。

帰りの道中で見付かったヒステランギウム属の一種。便乗ですが何とか自力で発見できました。
持ち帰れる標本を採取できていなかったので一安心・・・。
この辺から何となく発生する環境を見つけるコツが分かってきた気がしました。遅いですが。

それが最後の「Octaviania nonae」の自力発見に繋がりました。
遠くのほうから「あのカシ怪しい」と言いながら探してみれば的中です。
この観察会でとりあえず探し方の基本は何となく頭に入ったような気がします。
しかしこのような素晴らしい環境はそうそう有りません。地元での発見に活かしたいトコロですね。
ここで日没が近づき、地面が暗くて見づらくなってきたので観察会は終了となりました。
帰る途中にイノシシとニアミスするなどトラブルも有りましたが無事下山。
そこから車で市街まで移動してラーメンを食べ、店の前で標本を分けて頂き解散となりました。
正直この段階で地下生菌研究会への参加で心が揺れていましたが、まだ踏み切ることができませんでした。
この観察会に参加された皆様。
本当にありがとうございました!!!
そして話はこの観察会をどろんこさんに話したことで新たな展開となります。
ここで研究会への加入でトドメを刺されるのですが、それはまた別のお話・・・。
絵の話題。
122人目は夏から何度もデザインを作り変えた難産娘。
昨年の八丈島遠征夜の部最大の目的「Resinomycena fulgens (ギンガタケ)」擬人化の「天夜 銀河」嬢。
見た時から髪の光り方を大事にしようとデザインは思い付いていたものの、実際に絵にしてみると何か違う。
その後何度もデザインを微調整した結果、初心に立ち返ってシンプルで特徴が伝わりやすいデザインにしました。
他の発光娘と違ってサイト上での掲載方法に凝りました。
オンマウスしないと姿が見えないのは本種を実際に見た経験から。
シイノトモシビタケほど明るくはなく、ツキヨタケほど子実体が目立つわけでもない。
そんな彼女の特徴をこれで少しでも表現できればなぁと。
当初、服の光は穴が空いていて、そこから体の光が透けているって設定を考えていました。
しかしそうなるとあの天の川のような光の帯には短いので、袖を伸ばしたくなり断念しました。エロいと思ったんですが。
写真整理も残りわずか。やっとだ!でも次のオフレポも濃いぞぉ〜?
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>擬人化が頻度高くて嬉しい今日この頃です
>
>とりゅふさんのにほひ嗅いでブヒブヒしたい( ˘ω˘) (はむこ さま)
海苔の佃煮ですけどね!日本じゃブタは使えないんだろうなぁ。
今になってキノコ擬人化熱がメッチャ燃えてます。まだまだ続くよ!
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