■第38回虫草祭り in 茨城県
[22:58 2018/08/29]
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立て続けにオフレポですが、こればっかりは外せない。

そう・・・。

第38回虫草祭!!!

年に一度、日本中から冬虫夏草愛好家が集まる夢の祭典。今年は茨城県での開催です。 何ヶ月も前から申込をし、心構えをし、気合を入れていた今年で最も大きな遠征の一つです。 2日目の調査もですが、何と言ってもベテラン虫草屋さんとのコミュニケーションが大きな目的でもあります。

しかし・・・。

台風直撃コース!!!

オマエなんで来るんだよって感じです。前日までの予報では関東直撃・・・どう考えてもヤバいです。 スケジュールは日曜日までのため、万が一電車が遅れるあるいは止まるなどすれば月曜の仕事に響きます。休みは取ってないので。 なので金曜朝の段階で予報が変わらないなら宿の関係も有るしキャンセルする予定でした。


翌日・・・。

予報変わらず。

諦めてI氏に電話を入れ、キャンセルの旨を伝えます。そして仕事をしながら時間は過ぎ、お昼に。 一緒に行く予定だった皆の居るskypeにて報告をします。しかしどろんこさん曰く「いやこの予報なら行けんじゃね?」。 慌てて天気予報を確認すると、朝の予報から変わって関東から関西のほうへ曲がっていってしまう予想図に。 これならば台風が通る前に関東に到着し、台風が過ぎ去ってから地元へ帰れます。行ける、行けるぞ!

大急ぎでI氏にキャンセルのキャンセルを依頼します。もうムリだと言われるのを覚悟していましたが、OKとの返事が! こうして無事に虫草祭へ参加することができたのです。まぁ金曜日も普通に仕事だったので大変っちゃ大変でしたけど、準備が。


7月28日、11:00。

私は茨城県のとある駅に居ました。ガガンボさんと一緒に。 東京駅にて特急券を予約してくれていたガガさんと合流、そのまま乗り換えて一緒に到着しました。 そこで台風を警戒してずいぶん早く到着していたどろんこさんとも合流。 時間が有るので3人で駅前の中華料理屋に入ります。狭いけどリーズナブルで美味しいお店でした。

食事を済ませて待ち合わせの場所で待とうと思ったら、もうI氏がもう1人の合流者さんとすでに待って居られました。早いよ! 早速荷物と一緒に車に乗り込み、宿泊地兼会場兼フィールドへと向かいます。

14:00。

会場に到着したので荷物は一旦会場の端に置き受付を済ませます。 ここで以前からお会いしたかった錦田さんと初対面。凄まじい探索眼と素晴らしいフィールドをお持ちの虫草屋さんです。 お菓子も作れちゃう。おぞましいほどの清潔感を持つ人物でした。ま、眩しい・・・。

しかし会場に入って一番に衝撃の出会いが。

伊沢正名氏!!?

ニコニコ学会やマツコの月曜から夜ふかしで見たって方も多いのでは? 糞土師として活動されていることで有名ですが、元々は自然写真家であり、あのキノコ名鑑「日本のきのこ」は氏の写真を多用しています。 そして何よりも私のキノコ擬人化図鑑にコレラタケの写真を提供して頂いた方なのです。 バライロウラベニイロガワリの牛肝氏、タマゴテングタケのMUZVIT氏にはお会いしたことが有りますが、伊沢氏だけはお会いする機会がありませんでした。 さっそく駆け寄ってご挨拶とお礼を・・・。来てよかった・・・。

その後、元広島(今は岡山)のHibagon氏、地下生菌でもお世話になっているK.Y氏、艦これランカーと化していた油蝉氏、長野遠征でお世話になったベテランY(長)氏とも再会。 長野遠征で教えていただいたピンセット、今でも愛用しております! ちなみに泊まる部屋は私とY(長)氏、2015年の虫草祭にてシロアリの共生菌の発表を行ったY(シロ)氏、そして今回後にセミの共生菌の発表を行うF氏でした。メンツがやべぇ。



1日目の流れとしては総会、伊沢氏特別講演、宴会、二次会研究発表の順。 細かい点は割愛しますが、ずっと室内なので台風を感じることはほとんどありませんでした。 伊沢氏の講演ではおなじみ野糞のお話。キノコも交えつつの考えさせられる内容でした。 宴会はもうぐっちゃぐちゃの大盛り上がり。正直色々有りすぎて書くの面倒なのでやめます。

二次会ではF氏のセミ共生菌の遺伝子レベルでの高度な発表、どろんこ氏のデータベース構想、K.Y氏の南西諸島遠征結果発表で時間が過ぎ、多くの参加者が風呂の時間を逃す事態に。 楽しいものは仕方ないのです。やむなく洗面所で身体を拭いて風呂代わりにします。 部屋では色々と冬虫夏草談義ですが、明日も早いので寝なくては。おやすみなさい。


7月29日、6:30。

おはようございます。

起きると窓の外はガスで真っ白。台風は過ぎ去り風は穏やかです。 しかし不安は有りました。前日の駅からの移動中にも話していたのですが、雨が降っていないのです。 27日に降った雨が本当に久々だったそうで、それまではカラカラの晴れ続きだったそう。 流石に一日前の雨では冬虫夏草の発生に寄与したとは思えません。 実は虫草祭は初日の受付開始前に前泊組が事前調査を行っています。 例年ではそこでおおっと言うレベルのレア種が見付かっているのが普通なのですが、今年はそれもナシ。 となると正直望み薄です。 「ツブノセミタケでも見付かれば最優秀賞取れるんじゃね?」なんて言っていたくらいです。 レアものが出れば儲けもの、そんな気分での目覚めでした。

まぁ。

その期待は良い意味で最高に裏切られることになります。

7:30。

着替えて朝食を済ませます。山にはいるのでしっかりと食べておかないと。 部屋を片付けて玄関に集合し記念撮影。パラパラと雨は降っていますが傘は必要なさそうです。

9:00。

虫草祭のメインイベント?現地調査開始!雨は降ったので地面は濡れていますが直前までの乾燥の影響が気になります。 とりあえず歩き始めてすぐにお馴染みのカメムシタケなどは出たようです。 私とガガさんどろっさんのグループは少し進んで沢筋に入ることにします。 周囲の低木の葉裏をめくりながら確認していると、次々と発見がありました。



ツバキの葉裏に何か見たことあるヤツを発見。ツバキコナジラミに感染するモエリエラ ラシボルスキィです。 無性世代はアスケルソニア プラセンタ。関西では別の冬虫夏草が感染しますが、関東では本種が多いです。 しっかりと子嚢殻が出来たコナジラミ生冬虫夏草は地元では見られないので地味に嬉しかったです。



入り口からコレならこの沢は良いかも知れないと言うことで更に奥へと進みます。 すると初見じゃないけど実質初見のヘヴァンシア ノヴォギネエンシスを発見。 以前はアカンソマイセス属になっていましたが、新属に移されました。 地元で地面に落ちた古いモノは見ていますが、綺麗な発生状態は初見でした。 小さなクモを宿主とするアナモルフ菌類であり、分生子柄束のでき方が非常にカッコイイです。



コチラは謎のギベルラ属菌。顕微鏡観察による結果的にはプルクラが一番近そうです。 ただ決め手に欠けたため不明種扱いに。

いきなり気生型冬虫夏草が大暴れ。乾燥していたと聞いていただけに、この結果には驚きを隠せません。 とここでずっと出会いたかった冬虫夏草を発見!



ついに見付けた!アブラムシ生のヒルステラ属菌! 葉の裏についた小さな小さなアブラムシから分生子柄束を伸ばす異様な存在です。 ignatius氏のサイトで見て以来、実物を見てみたかった憧れの冬虫夏草でした。

一通り沢を見たので地面に標本を置いて三脚をセットし、野外撮影開始です。 まだ曇っていて光量が足りず四苦八苦していると、後ろから誰かが近付いてきます。 それは穏やかな笑みを浮かべたHibagon氏でした。一体どうしたんでしょう。

Hiba「凄いもの見付けちゃいました」
oso「何ですか?」
Hiba「最初の文字は『サ』です」
oso「えー『サ』?(なしてクイズ形式?)」
Hiba「次の文字言って良いですか?(満面の笑み)」
oso「お願いします」
Hiba「『ン』」
oso「サン・・・サンゴクモタケ?」
Hiba「いや、そんなものじゃない」
oso「えー何だ?」
Hiba「3文字目は『チ』です(ゲス顔)」

(しばらくの間)

oso「マジで!?」

静かに頷くHibagon氏に着いてゆく私。そこは私達が探していた沢の一本隣の沢筋。 私達がいた沢よりも水量が少なく、沢の周囲には沢山のカメムシタケが見られました。 Hibagon氏が指差す先を見て私は言葉を失いました。



出会えるのは何年も先・・・いや、もしかすると一生出会えないかもと思っていました。 我が国で見られる冬虫夏草の中でも最も珍しい種の一つと言って差し支えないでしょう。 属名にあの故清水大典氏の名を持つ激レア冬虫夏草のサンチュウムシタケモドキです。 Y(長)氏も「オリンピック的に4年に1回見れるかどうか」と仰っていた、とてつもない珍菌です。

本種は何と冬虫夏草のくせにヤマガシュウやサルトリイバラのようなシオデ属植物の種子を宿主とするのです。 虫や虫の生産物でもなく、他の菌類でもなく、動物的なものではなく植物的な宿主を激レア冬虫夏草です。 それでいてミクロの部分は完全に昆虫寄生菌の類であり、その存在そのものが謎でしかありません。

ガガンボさんやどろんこさんも合流し、4人で他にも無いか探します。 どろんこさんがヌンチャクイラガタケを発見しますが、探せど探せど見付かるのはカメムシタケばかり。 どろんこさんも以前Y(長)氏と見た際は1株だけしか見付からなかったようで、元々あまり群れない種のようです。 となると出ているのはこの1個体だけなのか・・・諦めかけたその時でした。

私の目に写ったのはオレンジ色の棍棒状の子実体。 ヌンチャクイラガタケか?と思ってライトを向けたら何てことはないベニナギナタタケ系でした。 ガッカリしてライトを照らしたその先に、薄黄色の子実体が見えたのです。



有ったぁああああ!!!

その後Hibagon氏がもう1株発見し、そちらはどろんこさんが断面作成することに。 結果的には探索時間中に3株発見できました。こうして無事観察用の標本を掘り取ることができたのでした。 余談ですが虫草祭閉会後に残った方々が探しにゆき、さらに6株発見できたそうです。 ここまで狭い範囲でこれだけの数が出るのは非常にレアケースだったようです。 正直ツブセミが出たら御の字とか言ってた自分が恥ずかしいです。 それどころじゃない、凄まじいレア菌が見付かったのです。



ちなみにサンチュウムシタケモドキを探していたガガさんが意外なモノを発見。 何と自分も初見だったタケダコメツキムシタケです。 自分も図鑑でしか見たことが無く、その後残った時間で探したのですが、見付かったのはこの1個体だけでした。

とここで時間切れです。会場に戻ってお昼ご飯と発見種の報告書作成を行います。 最優秀賞は当然ながらサンチュウムシタケモドキを発見したHibagon氏。 便乗ですが発見できた私も第二位で表彰して頂きました。景品はカッコイイコブガタアリタケの瓶詰め標本。 ただやはり全体的に種類数は少なかったようで、少雨の影響は確実に有ったのだと感じました。 もし安定して雨が降っていたならば、もっと多くの種が、多くの個体数が出ていたのかも知れません。 その後挨拶の後、閉会が宣言されました。

こうして長いようで短かった虫草祭は幕を下ろしました。 帰りにどろんこさんが切符購入で手間取ったりもしましたが、各々が無事に帰宅することができました。 台風は私達が冬虫夏草を探している間に西日本に過ぎ去り、大きな被害はひとまず出ていなかったようです。 東京駅で自分用のお菓子のお土産を購入、どろんこさんとは先に分かれ、ガガさんと新幹線で帰路につきました。

自宅に着いたときにはもう夜になっていました。標本整理を今からする気にはなれなかったので、大まかに片付けて眠りにつきました。 やはり自宅のベッドはイイものですね。でも何だか夢から覚めて現実に戻ってきたような、そんな感覚になりました。


これにて第38回虫草祭オフレポ、終了です。


絵の話題。



記念すべき?130人目は間違いなく今年のMVPの片割れ。

当然ですが「Shimizuomyces paradoxa (サンチュウムシタケモドキ)」擬人化の「清水 牛尾菜」嬢です。 「牛尾菜」は「シオデ」と読みます。本種の宿主となる種子を作るサルトリイバラとヤマガシュウが本属植物です。 大まかなデザインは決まっていましたが、とにかく神々しい感じのデザインにしたくて細部で結構迷いました。 あんまり上方を盛り込んでもくどくなる・・・難しいですね。

とにかくコダワリは配色です。パッと見て「あっサンチュウムシタケモドキだ」って思える配色を意識しました。 あとは地味にスリングショットの下着もコダワリ。子嚢胞子の中央部が太くなる部分でトップを隠す構造です。 髪はボサボサに見えますが束ねているのは後ろ髪だけなので横から見ると髪はサラサラ下に流れていますよ。

とりあえず今年のMVPはハエ目のアイツと本種かな?


艦これの話題。



遠征も出さず、初期艦単艦で待ちました。

艦これ二期開始!!!

たった2日チョイで全制海権奪還されたのはビックリしましたが、急ぎ新6-4までは撃破しました。 それ以上は夏(初秋)イベの資源量に影響すると判断し、攻略は中断、備蓄に専念しています。 解像度が上がったとのことで色々と見て楽しんでいました。



何気に真っ先に見に行ったのは伊19ちゃんの瞳の中の桜花でした。流石に見えませんでしたが。 それ以外にも高解像度でないと見れない色々なネタを見るだけで楽しかったですね。 ただ今までのノウハウがほぼ完全に失われてしまったのは確かなので、しばらくは演習レベリングしながらの様子見の日々です。


とりあえずこれで大規模なオフレポは一段落。日常が戻ってきた気がします。 今から秋の遠征が連発するので、つかの間の休息ですけどね。 見ればラフのままの下描きが溜まってるので、チョコチョコ消化しつつキノコ写真整理を進めますかね。


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■岡山冬虫夏草観察オフ
[22:12 2018/08/14]
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久々の本格オフレポです。

実は今まで何度かキノコ屋仲間でオフ会をやってきましたが、不思議と主催をしていない人が居ました。 それは意外にもガガンボ氏。私やどろんこ氏がしつこくお願いしていましたが、その度に断られていました。 ざっくりとした理由は「自信を持って案内できるフィールドを知らない」的なことでした。 しかしその後、ガガさんは急激に岡山キノコ界のスターダムにのし上がり、今や県の観察会で責任ある立場を任される身。 少なくとも自分よりもフィールドに出ているのは確かです。そしてその中で十分に知識と経験を蓄えてきました。

そしてついにガガさん本人から「そろそろ行けるぜ」とのお誘いが来たのです!待ちに待ったガガさんオフだー! 今まで岡山にお邪魔したことは有りましたが、私一人だったり県の観察会に便乗だったりで、ガガさん自身が企画した大規模オフは有りませんでした。 ついにこの時が来たか!

どろんこさんドタキャン。

私と並んで一番ガガさんに要望を出していたどろんこさんが見事にドタキャンしやがりました。 ホント何やってんですかね、あの人。まぁ多忙なのは知ってたので今回は諦めましょう。

てぇことで今回の参加者は読み順の敬称略で以下の5人。

青fungi
アメジストの詐欺師
・oso
・ガガンボ (主催)
木下幸之助

何と一泊二日の大規模オフとなりました。 しかしご存知の通り岡山は少し前に集中豪雨による大きな被害が出た地域でもあります。 開催すべきか心配しましたが、幸いフィールドに影響はなく、無事開催することができました。 それでは以下オフレポです。


7月15日、11:00。

私はガガさんに電話を入れていました。内容は「遅刻する」。 待ち合わせは11時に岡山駅だったのですが、凄まじい渋滞でインターを降りてから全然進めません。 しかたなく私一人、昼食を予定している店に先に行くこととなりました。

この日の気温は岡山市内で36℃。凄まじい暑さです。

11:40。私一人先に目的のラーメン屋さんに到着。皆の到着を待つことに。 しかしここでトラブル発生。全員揃ったのにアメさんがお腹を壊してトイレにこもりっきりに。 夜に宿泊場所のネカフェの冷房に当たりすぎた、とのこと。 ホントにこの人は毎度毎度トラブルを起こすなぁ!この前のignatius氏オフも遅刻するし・・・。もう!



本来は11:30に昼食の予定が、結局ラーメンが運ばれてきたのは12:30でした。順調な滑り出しですね! ガガさんイチオシのデミカツ丼とラーメンのセットを頂きました。岡山のご当地グルメなんだそうです。美味しかった! 時間も押しているので急いでフィールドに向かいます。

フィールドに到着した時は14:00。かなり時間が経っていました。

クソ暑い!!!

急いで山装備に着替えますが、尋常な暑さじゃないです。36℃の高湿度環境は流石に死の危険が有ります。 たっぷりの飲み物と塩タブレットを持って行きますが、それでも全然油断できません。 またフィールドは集中豪雨以降に雨が全く降っていないそうで、見た感じかなり乾いている印象です。 これはあまり収穫は見込めないかも知れない・・・。 一応ガガさんが何ヶ所かは下見をしてくれているのでボウズは無いとは思いますが。



と思ったらいきなりのクビオレアリタケ!初見かつ見てみたかった冬虫夏草だったので嬉しかったです。 さほど高湿度でもない普通の車道脇のカエデの枝に噛み付いたまま絶命したトゲアリから出ています。 非常に興奮するのですが、時間もないので撮影は後回しにしてガガさんの案内で次の場所に移動します。

次の場所はガガさんが同じフィールドの別の場所から持ってきて天然追培養していたハチタケの場所へ。 普通のヒノキ林で、日陰なので探しやすいと全員リュックを置いて撮影だの散策だのを始めます。 ガガさん的にはこの先に一番案内したい某難物冬虫夏草が出るらしいので、ここはあまりじっくり見なくて良いかな?

その時でした。

アメ「これ・・・冬虫夏草ですかね?」



そうですね。冬虫夏草ですね。

カンピレーェエエエ!!!

アメさん、ホントこう言うの持ってるんですよね。 年末の地下生菌観察会でガウチエリア見付けたり、ignatius氏オフでヌンチャククモタケ見付けたり。 観察眼はマジモノです。初めて見たので感動していると・・・。



oso「あれ?コレもそうじゃね?」

まさかの便乗発見。挑戦権はアメさんと私に与えられました。この時の時刻、15:00。 この段階で結果は大体分かってたんですけどね。

アメさん発見分が手前に有るので、先に掘ってもらわないと私が掘れません。 そこでアメさんを独り残して4人はガガさんの案内する最終ポイントへ向かいます。 本当はそこがカンピレー()の初発見場所だったそうですが、随分手前で出てしまったのだそうです。



逆にこのポイントではハナサナギタケばかりが見付かりました。 私はツヅレシロツチダンゴ近縁種を見付けたり、アメさんの様子見で一旦帰る際にスズメガタケを見付けたり。 この場所はさっきのカンピレーポイントに比べてぐっと不快指数が高いです。

アメさんの場所に戻るとボーッとしているアメさん発見。聞けば「ギロチンしましたよ」と乾いた笑い。 うん、大体予想できていました。安心してくれ、俺も後を追う! 私も掘り採り・・・と思いきや、さっさと山菜掘り用スコップで掘り起こしてしまいました。

結果は・・・。



当然ギロチンです。

実は本種、歴史上ギロチンせずに掘れた人が確認できる限り1人しか居ないと言う地上生採取難易度最高峰。 難物としてはツブノセミタケやマヤサンエツキムシタケなどが良く話題に上がりますが、本種は別格です。 彼らがラスボスであれば本種はバグの領域です。 詳細は写真図鑑に載せていますが、要約すると地下部の長さ50cmで地下部の太さは髪の毛レベルで脆いのです。 ベテラン虫草屋さんでも掘るのに2日かかったなんて話を複数聞くくらいのバケモノなのです。 それを残り2時間程度で掘れと言う時点で負けは確定していました。 地上部と細い地下部が分かる子実体を持って帰れればそれで御の字だったのです。

そして実は本種は正確にはカンピレームシタケではありません。 生態図鑑には本種がこの名前で掲載されていますが、実は本物のカンピレームシタケは地下部が短く、甲虫の幼虫生です。 本種は地下部が極端に細長く、宿主がハチ目であることが分かっています。後の虫草祭にて教えて頂きました。

この段階で時刻は16:30。そろそろ刻限が迫ってきました。 支度をして最後のポイントに戻ります。 ここでしばらく捜索しましたがめぼしい発見は有りませんでした。 私は観察用にハナサナギタケを1つだけ採取することに。

とここで木下さんに異変。どうも体調が悪そうです。この暑さにアテられてしまった模様。 帰り道ではツチダンゴの仲間を探したり、一旦スルーしたクビオレアリタケを撮影したり、ハチスタケを探したりして駐車場に戻りました。 これにて1日目のフィールドワークは終了。山装備を脱ぎ、フィールドをあとにする頃には18:00になっていました。


ここからは車を走らせて2日目のフィールド、かつ宿泊地の岡山県北部に移動します。夕飯もガガさんが目星をつけてくれています。 とここでついに集中豪雨の影響が。通りたかった道が通行止めになっていたため、遠回りを強いられることになりました。 そう言えば朝に岡山インターを降りた際に出口に「晴れの国おかやま」の看板が有りましたが、その少し先に漂着した家具などが山積みになっていたのが印象に残っています。

19:30。夕食のラーメン屋に到着したのですがここで問題発生。

木下さん熱中症。

夕方頃から体調が悪そうでしたが、実はオフ前からあまり調子良くなかったとのこと。 動くのも辛そうな状態にまでなってきたので急いで近くのコンビニで水分塩分の吸収が良さそうなものと適度な糖分を買い込みます。 とりあえず4人は食事をしないとなのでエアコンかけっぱの車内で休んでもらうことになりました。 早く夕食を済ませてホテルで休ませようとのことで急ぎラーメン屋へ。 すると初期対応が効いたのか木下さんが復活!良かった・・・。無事全員でお店に入ることができました。



青「石垣よりマシですよ?」

ここでは青fungiさんの南西諸島遠征の土産話で花が咲きました。 この日は大概暑かったですが石垣島での猛烈な暑さに比べればまだマシだったとのこと。 これよりまだ暑いとか正直考えたくないです。遠征やめよっかな・・・。 と言うか青さんは訪れているフィールドが非常に多種多様で、毎回驚かされます。 京都での観察会では何度もお世話になっていますので、秋にでも地元を案内したいなぁ。 そこから今後のオフの計画の話に発展。行きたい場所が多すぎて困りますね。

ちなみにラーメンは激ウマでした。

その後ガガさんとアメさんはネカフェに。しっかり寝たい私と青さん木下さんはホテルへ移動。 チェックインを済ませ、風呂から上がる頃にはちょうど21:00になっていました。 明日は7:00には駅前に集合しなくてはいけません。早めに寝ますかね。

おやすみなさい。


7月16日、7:00。

おはようございます。モーニングコールでございます。さぁ起きましょう。 朝はホテルでモーニング。昨日は軽度熱中症だった木下さんも無事フィールドに出てる程度には回復。 私と青さん、木下さんの3人で朝食を済ませたのち、チェックアウトして集合場所に向かいます。 集合場所は駅前のコンビニ。ここでガガさんとアメさんに合流し、5人揃って本日最後のフィールドへ向かいます。



このオフ最後(?)のフィールドは川沿いの遊歩道。休憩場所などが有り、キャンプの先客が居ました。 環境的には菌根菌が出そうな雰囲気で、実際にタマゴタケをはじめ複数種の菌根菌が見られました。 でもこれは前座。本番はメインは川沿いの高湿度環境です。 ここで以前ウンカハリタケが見付かっており、これがメインターゲットとなります。



探し始めて最初に見付かったのは何とレアモノのウスキヒメヤドリバエタケマユダマヤドリバエタケ。 自分は2回目ですが、顕微鏡新調にともなって何としても見たいと思っていた冬虫夏草だったので大興奮! 発生量はかなりのものなので観察用に持ち帰り、後日談ですが顕微鏡観察は大成功となりました。

しかしそれ以外にめぼしい冬虫夏草は無く、先に進むことに。



ここで多く見付かったのは定番のカメムシタケ。 定番とは言ってもウチの地元では全然見付からないので個人的には嬉しい存在。 ですがそれに混じって今回は意外な珍品が出てしまいました。



これもしかしたらカンピレーモドキよりレアだったんじゃないでしょうか? 白変種?アルビノ?結実部が真っ白なシロガシラカメムシタケです。 発見例は極端に少なく・・・と言うか関西地方初発見だった可能性すら有ります。 その後もクチキムシツブタケやXylariaに感染したマユダマタケなどが見付かり、ここで長時間を費やしました。



ここで時刻は11:00。そこそこの収穫が有りましたが、種類数はあまり出ていません。 最後に見付かったのはハチ繭生不明種のアナモルフ菌類。 本来は12:00解散の予定でしたが、ちょっと食い足りない感じ。 主催のガガさんも同じことを思われていたようで、昼飯を食べてロスタイム行っちまおう!ってことになりました。 幸い食事できる施設も有り、この場所からも近いので行けそうです。

12:00に道の駅的な場所で昼食を摂り、急ぎフィールドへ。 ここは民家の裏手から入ってゆける沢沿いの林道で、集中豪雨の影響をモロに受けて道が何ヶ所も破壊されていました。 道が川になっているような場所も有りましたが、岩の間を飛び移りながら進みます。 途中クチキムシツブタケやムラサキクビオレタケなどが有りました。ムラサキは低地では珍しいかな?

そして到着したのは小さな滝。この周辺の沢沿いの樹々、その葉裏をめくりながら探してゆきます。 ここで遂に念願の出会いが・・・!



やっと出会えたハガクレシロツブタケ!ずっと見たいと思っていたんです。 葉の裏に貼り付いたハエ目の蛹から発生する極小の冬虫夏草です。 宿主はいくらでも地元で見られるのに、感染個体には一度も出会ったことが有りませんでした。 これが見れただけでもロスタイムった甲斐があったと言うものです。 その他にもコノイデオクレラ属菌やアスケルソニア、冬虫夏草意外ではニカワチャワンタケなどが見付かりました。 十分満足なのですが、ここで思わぬ追撃が。



ふと上を眺めていたら妙なモノが目に入りました。図鑑で見ていたのでその正体にすぐ気付けました。 流石に叫んじゃいましたよ。これもずっと出会いたかった川上橙色虫生菌! ガガさんも探していた冬虫夏草だったそうで、二人で上を見ながら大興奮。 アスケルソニアの中でもカワカミイは特に大型化するので見応え有るんですよね。嬉しい!

とまぁ終了予定時刻を2時間以上オーバーしましたが、その分得る物多くオフ会は無事終了しました。 ガガさんは3人を駅まで運び、私だけは直接高速道路で帰ったほうが早いため、ここでお別れとなりました。


参加者の皆様。
本当に・・・。
お疲れ様でした!!!


終わってみればレア冬虫夏草をしっかり押さえたスケジュール、ガガさん流石です。 これは今後計画する時のハードルが上がるなぁ。コチラも経験を磨かねばなりませんね。

てことでオフレポはここまで!


絵の話題。



128人目129人目。2人に分けるかどうかかなり悩みました。

ってことで「Hypocrea sp. (ウスキヒメヤドリバエタケ)」擬人化の「宿蝿 きひめ」嬢と「anamorph of Hypocrea sp. (マユダマヤドリバエタケ)」擬人化の「宿蝿 まゆ」嬢です。 今までも何人か二重人格的な少女は居ましたが、今回は完全な別人格であって、性格が変わるとかそう言うのではありません。 分類にも関わってくる話なのでどうやって掲載すべきか悩みに悩みました。 今後明らかになってくれば学名も統一されるでしょうし、そうなれば晴れて人格統一と言う扱いになると思います。

コダワリは鼻眼鏡の形状。分かる人には分かるかな? ワンピースの色が決められずにメチャクチャ悩みました。 最終的には本種が生えていた場所のバックの色を抽出して迷彩柄にしました。

今回、彼女を擬人化したのには理由があります。 それは顕微鏡観察です。実は本種は子嚢や子嚢胞子に大きな特徴が有ります。 なので本種はミクロな部分まで見なければその魅力がピンと来ません。 ちなみに旧顕微鏡で初見時に観察したのですが・・・。



うん、分かりませんね。画像編集しまくって何とかこのレベルです。 マユダマヤドリバエタケの分生子は観察しやすいのですが、肝心の子嚢胞子がこれでは良く分かりません。 なのでこれを見た時からずっとリベンジしたいと思っていたのです。

そして・・・。



ここまで違うものなのか!!!

子嚢も子嚢胞子も二次胞子も全部しっかり観察できました。もちろん分生子も撮り直しました。 本種の子嚢胞子は2胞子性で2つの二次胞子に分裂すると言うボタンタケ属の性質を持っています。 冬虫夏草であれば二次胞子への分裂や分裂数の違いはあれど基本的には糸状です。 また子嚢にも本来見られるはずの先端の肥厚部が存在せず、普通の子嚢菌類の子嚢と同じ形状をしています。 言わば本種は「冬虫夏草じゃないのに冬虫夏草してる」と言う超絶変わり者なのです。 もしかすると起源すら違うのではないでしょうか。 アナモルフのマユダマヤドリバエタケもマユダマタケに似て否なるもので、こちらも興味深いです。

そんなこんなで擬人化したくてもイメージが出来ていなかったので、今回の観察でようやく形にできました。 比較的標高のある場所がお好きなようで、地元でそれらしい環境に出会えてないのがつらいトコロ。 何とか見付けたいなと思っています。


艦これの話題。



出ました巻雲ちゃん。こうして見るとたしかに次女。 もうすぐ大規模アップデートですね。50時間以上かかるアプデとか初めてですわ。 どうなるのか楽しみ。資源も貯まってきたけど不安要素も有ります。 あ、あとサントラ予約しました。あの曲が早く聞きたいです。


とりあえず岡山オフレポも終わりましたし、次はいよいよ虫草祭のオフレポを書かねばなりません。 Twitterではすでに投稿していますが、ここでもとてつもないレア種との出会いが有りましたので、掲載が楽しみです。

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■ comment ■
つまり(?)きのこ的にはここはアダルトサイトと云ふ訳ですね(˘◡˘)
しかし、胞子まで見なくても、掘られたり剥かれたり……
場合によつては怪しげな薬物(語弊)かけられたり……大変ですね (はむこ さま)


そう言われて見れば結構シチュ的にはえげつないことしてますね。 でもアレです、胞子っていわば菌類の性的な部分なワケですから、そこを見r何言ってんですかね私。


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